不動産購入を検討される方にとって、初期費用の額は決して安くありません。
初期費用を現金で支払う方法のほかに、別の手段があることをご紹介します。
正しく理解して、自分に合った方法で住居を手に入れてください。
今回は住宅を買う際のオーバーローン利用にあたる注意点とリスクについて解説していきます。
不動産購入時のオーバーローンとは?
オーバーローンは、物件価格以上の住宅ローンを組むことです。
一般的に不動産の購入費に加えて諸費用の支払いに利用します。
その理由は、決して小さい金額でない諸費用の用意が難しい場合に利用できるからです。
諸費用の目安は、物件価格の6%~10%といわれています。
3,000万円の物件価格で10%の諸費用を想定した例を挙げます。
物件価格3,000万円×10%=300万円が諸費用ということになります。
物件価格以上のオーバーローンを組むことにより、諸費用分もカバーできるといったメリットがあります。
不動産購入時のオーバーローンで挙げられる3つの注意点とは?
3つの注意点について、以下へ解説していきます。
住宅を買った後の売却について
住宅を買った後、諸事情により売却する必要が生じた場合に物件価格以上の金額で売らなければいけなくなります。
「物件価格+諸費用」という形式で借入れているため、住宅自体の代金でそのまま売却すると諸費用分の借入れが残ってしまうからです。
諸費用の金利について
諸費用の借入が金融機関によっては、金利が安いといわれる住宅ローンとは別枠の融資となるケースがあり、金利が高く設定されることがあります。
諸費用の金利がたかければ、毎月の返済額も高くなるため注意が必要です。
離婚時のトラブルについて
ペアローンなどの夫婦間で組む共同ローンの場合、離婚に伴う返済負担率のトラブルになることもあります。
離婚後に住居を売却しても返済額が残る可能性があるからです。
不動産購入時のオーバーローンで挙げられる2つのリスクとは?
2つのリスクについて、以下へ述べていきます。
契約違反について
物件価格と諸費用にかかる金額以上にローンを借り、余ったお金を他へ使う行為は契約違反となります。
金融機関との契約上、融資されたお金の利用目的が変わることは契約解除と一括返済を求められる可能性があります。
自己破産について
諸費用を賄えるという面では、オーバーローンは初期費用が用意できていなくても住宅を買えることがメリットでした。
しかし、いくらでもお金を借りられるものでもありません。
前述のように諸費用の融資が高金利となる可能性もあり、将来的な月々の返済額として負担をかけることもあり得ます。
収支のバランスを見てローンを組まなければ、新居生活がスタートしても月々の返済に追われ、最悪自己破産のリスクがあるということを考慮に入れておく必要があります。