今年は映画を出来るだけ観に行く!と心に決めているのですが、先日観た『フロントライン』という映画が、私の中では上半期1番!という作品でしたので、ぜひ皆さんにも観て頂きたくて少しだけご紹介させて頂きます。描かれているのは、新型コロナの集団感染で連日ニュースになっていた『ダイアモンドプリンセス号』の物語。
まず思ったのは「こんなにも過酷な状況で、それでも人の為に頑張ってくれた人たちがいたのか」とハッとさせられました。ポイントは“事実に基づく物語”という事で、あの船で現実に何が起きていたのかが描かれています。もちろん、フィクションの部分やドラマティックに描かれている部分もあるそうですが、苦しみながらも「一人でも多くの命を救いたい」という使命感で動いている人たちの思いや熱量が最初から最後まで、スクリーンから溢れ出てくるように伝わってきました。現場にいる人たち(医師・乗組員・乗客・官僚など)のそれぞれの立場から見るリアルな思い。人道的な考え方と法律や立場との乖離。極限の中での責任の所在。力関係。個人的に一番危機感を感じたのは、そこに居ない、何もよく分かっていない、何もしない人たちが、情報に踊らされて見えない力となって必死に頑張っている誰かを傷つけたり、苦しめたり、追い詰めて活動を制限してしまう事。何かとコンプライアンスだとか、SNSやメディアの情報に踊らされて、好き勝手に正義感を振りかざして口だけを出す時代。色々な情報が溢れる時代だからこそ、それらの情報を出来る限り見極めて、情報に踊らされない考え方や視点を持つ事が大切だなと改めて思いました。また、どんな人にも守るべき大切な家族や仲間がいて、そんなごく普通の人たちが、災害や緊急時に最前線で不安や恐怖と戦いながらも、誰かの為に、目の前の命の為に必死に頑張っている(当時もそういう人たちが確かにいた)という事も思い知らされました。
映画は好みなので、なんとも思わない人や嫌いな人もいるかもしれませんが、それでも”人の思い”というものがとても伝わってくる映画だなと思いました。もしお時間があれば是非観て頂きたいなと思いましたし、仕事や目の前の命に対して、僕もこうした熱量を見失わずに進んでいきたいと思いました。